2025.11.19
作品がNYのご自宅へ

日本酒サロン粋さんでの個展初日。嬉しい出来事がありました。なんと、ハネムーンで日本を訪れているニューヨーク在住のご夫婦に絵をお迎えいただけました。
店主の堀さんのご友人のご紹介で、ニューヨークから初来店されたお二人。日本酒を飲みながら壁にかかる作品をみて、何かお話をされていました。私は「作品をみて何を感じて頂けたんだろう……」と思うも、英語が話せずモジモジ。すると、堀さんから「シマさん、お話ししてみたらどう」とお声がけがありました。

だよな。この夜、この個展初日に、お隣同士になったのもご縁。お二人がどうして日本に来られたのかも聞いてみたい。絵の感想も聞いてみたい。お二人と目が合った瞬間、「I don’t speak イングリッシュ !」と笑顔でお声がけしました。そこからは中学1年生英語とジャスチャーでのコミュニケーション。
お二人がハネムーン旅行中であること、奥様の夢の目的地が日本であること、その夢が日本食を食べ歩くことだと知りました。
そのことを知った堀さんが「こんな特別な夜にこそ」と冷蔵庫からシャンパンを取り出し、開栓。その場にいたゲストの方々とグラスを持ち上げ「Cheers!」と乾杯。JAZZが流れる店内が拍手の音に包まれました(粋さん、なんて素敵な空間なんだ)。

数分後、私は「さっき、あの絵をみて何を話してたの?」とお聞きしました。奥様が「光と影のコントラストが美しい作品。すごく好き」と言っていると、旦那様がスマホの翻訳サイトの画面をみせてくれました。
絵の舞台が“Colorful Forest”という世界のどこかにある森であること。そこにしかない光や色や風の香りを探す旅人の物語を描いていること。旅人が「わたしにとってのしあわせ」について内省していること。私は旦那様のスマホの翻訳サイトをお借りし、お伝えしました。
すると旦那様が「あなたの絵をもらっていいかい?」と。
「Wow ! リアリィ!」と私は何度も何度も伝えると、旦那様は優しい瞳を光らせ、何度も何度も頷いてくれました。その横で奥様も一緒に頷いてくれていました。
最後にお二人の今この瞬間を写真に撮らせて欲しいと伝え、カメラのシャッターをきりました。昨日、奥様から「展示の成功をお祈りしています!絵を家に飾ったら写真を送りますね!」とメッセージが届きました。作品が海をこえ、ニューヨークのご自宅に飾っていただける。こんな幸せなこと、あるんだな。
初個展から5年。本格的に絵を描きだして8年。描き続けてきて、良かったなぁ。
あの絵が素敵なお二人のお部屋を、いつまで明るく照らせる作品でありますように。