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2026.07.23

奈良県の清流にて

2026年6月、奈良県秘境で鮎釣りが解禁した。鮎釣りは別名友釣り(ともづり)と呼ばれ、鮎を鮎でかける日本古来の伝統釣法だ。数年前、清流に身をおき竿1本で野鮎とやりとりする体験をしてから、鮎釣りが生涯の趣味となった。

6月下旬の梅雨空の下、車を停め釣りの準備をしていると山から「キュロロロ」と聞き覚えのある鳥の美しい鳴き声が聞こえてきた。まさかと思い耳を澄ませてみる。たしかにアカショウビンの鳴き声だ。毎年夏に遊びにいく西表島で何度も聞いてきた鳴き声で間違いない。

アカショウビンは体からクチバシまで真っ赤な鳥だ。西表島奄美大島の動植物を描いた日本画家、田中一村氏の作品にも登場する渡り鳥でもある。

アカショウビンは南の島にしかいないはずでは……。不思議に思っていると、地元の女性が通りがかった。挨拶をし、アカショウビンについてお話しを伺ってみる。

「あー、キョロロのこと? 赤い鳥でしょ。みたことはないけれど、この時期になると毎年鳴き声が聞こえるのよ。地元ではみんな” キョロロ ”ってよんでいるのよ」と教えてくれた。

大好きな秘密の場所がひとつ増えたことを喜び、清流の水音とキョロロの鳴き声を聴きながら、静かに釣り糸を垂らした。

大自然の中に身をおき、美しい色や音を体に吸収する。

巡らせたエネルギーを筆にのせ、今朝もキャンバスにむかう。