2026.09.25
西表島・浦内川の旅
8月後半、熱帯低気圧がかかる西表島・浦内川へ3泊4日の旅にでた。
高速船が西表島の上原港に到着する頃、雨粒は暴風にのり地面に叩きつけられていた。
港の待合室のあるテレビでは、熱帯低気圧が台風20号へと変わるというニュースが流れている。
1日目は台風のため宿に籠る。2日目は土砂災害警報が発令されており目的地の浦内川に入れず。
3日目にようやく目的地の浦内川へ行くことができた。

マングローブ林に時折おちる光は自然美の彩度をあげてくれる。
ヒルギの足元には、山と海から運ばれてきたミネラルが堆肥する。

川の流れにまかせカヤックをすすめていると、後方から一羽の鳥がヒルギの枝にとまった。
クチバシから体まで真っ赤な鳥。6月に鮎釣りにいった奈良県の秘境でも聞いた「キョロロ」と鳴く美しい鳥。
この10年西表島に来島するたびに見たいと願っても見ることが叶わなかった、リュウキュウアカショウビンだ。
ようやく出会えた。
リュウキュウクマゼミがマングローブ林を鳴らし、カヤックが水面を揺らす。
ヒルギの濃い緑の葉。アカショウビンの優しく燃えるような赤。
補色の関係にある色同士は、互いの色を引き立てる。
時間にして5秒ほどだっただろうか。短い時間のはずが、それ以上に長くそこにいてくれているような気がした。
西表島にようこそと迎えられているような気もした。
アカショウビンは羽を長く赤いクチバシを伸ばし、緑の世界を駆け抜けていく。

日頃暮らしている生活の近くにある自然は大好きだ。暮らしから遠くにある自然も大好きだ。
西表島の遠い自然は普段みることのできない色鮮やかな色を、ときに荒々しく無彩色な色もみせてくれる。
最終日の朝、西表島の1本松とよんでいる場所へ向かう。

日がのぼってからはフライロッドを振った。台風一過の空と海はより自然美の彩度が上がる。


ブログを書いている今、この時間も西表島のマングローブ林のどこかでアカショウビンが飛び、朝日が海を色付け、浦内川をロウニンアジが泳いでいる。そんなことを思えるだけで、幸せな気持ちになれる。
これからも近くの自然へ、遠くの自然へ身を置き、湧き上がるインスピレーションを絵筆にのせていこうと思う。

旅の記録